”死”をテーマにした6つの物語『バスターのバラード』

映画

|作品紹介

映画:『バスターのバラード』

監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン

2018年に公開されたコーエン兄弟監督のオムニバス映画です。西部劇をテーマに、6つの短編ストーリーが織りなされます。

ティム・ブレイク・ネルソン、ジェームズ・フランコ、リーアム・ニーソンなどの豪華キャストが出演しています。

バスターのバラード | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
荒唐無稽なものから深遠な話まで、コーエン兄弟ならではの味わいあふれるアンソロジー。アメリカ西部を駆け抜けた無法者や開拓者たちの6つの冒険物語。

|あらすじ

物語は、6つの独立したエピソードに分かれています。

序盤には、歌うガンマン「バスター・スクラッグス」が活躍する物語が展開されます。その後は、様々な人物たちが繰り広げるエピソードが描かれます。

牧場主と賞金稼ぎ、追い詰められた強盗団のリーダーと恋人、銀行強盗など、それぞれにドラマが織り込まれます。

|来歴

ティム・ブレイク・ネルソンは、コーエン兄弟作品には数多く出演しており、本作でも主役の一人を務めています。

また、ジェームズ・フランコやリーアム・ニーソンなど、豪華なキャスト陣が本作を支えています。

|見所

本作の見所は、様々なジャンルのエピソードを網羅していることです。西部劇、コメディ、ホラー、ドラマ、哲学的な話など、多様な要素が含まれており、どのエピソードも独自の魅力があります。

コーエン兄弟独特のセンスが随所に散りばめられており、笑いと切なさを織り交ぜた作品に仕上がっています。

また、脇役から主役まで出演している俳優陣の演技も素晴らしい点です。リーアム・ニーソン、ブレンダン・グリーソン、ティム・ブレイク・ネルソンなど、実力派俳優が多数出演しており、観る人を飽きさせません。

それぞれのエピソードが独立しているにもかかわらず、全体としての統一感があります。西部劇というテーマにとらわれず、人間ドラマやブラックユーモアなども織り込まれ、観る者を飽きさせません。それぞれの物語のラストシーンには、予想外の展開が待っています。

かのま
かのま

ジェームズ・フランコの回の最後のシーンで、死ぬ間際に可愛い子みつけるの渋いな。

|おわりに

本作には”死”というテーマが強く描かれています。

西部劇というジャンルが持つ荒々しさや厳しさを体現するように、多くの登場人物が死を迎えます。それぞれのエピソードで描かれる死は、様々な形をとっています。

バスター・スクラッグスが主人公のエピソードでは、彼自身も死を迎えます。しかし、彼は死に向かうことに全く恐れを感じず、自分自身を完全に受け入れた姿勢を見せます。このエピソードは、死を受け入れることができる人々の姿勢を描いたものとして、深い印象を与えます。

別のエピソードでは、銀行強盗が報いを受ける形で死を迎えます。このエピソードは、犯罪行為を繰り返す者たちが必ずしも幸せになれないということを示唆しており、西部劇というジャンルが持つ「悪と罰」というテーマが見事に表現されています。

ラストエピソードでは、老夫婦が死を迎える様子が描かれます。このエピソードでは、死を迎える老夫婦の心情や、死後の世界について考えさせられます。コーエン兄弟が死について描いたエピソードは、どれも深い哲学的思考が込められており、観客に深い感銘を与えます。

西部劇というジャンルに新たな解釈を与え、”死”というテーマを深く掘り下げた傑作です。コーエン兄弟独特のシニカルなユーモアや哲学的な思考が、本作品をより一層魅力的なものにしています。

かのま
かのま

予定調和でおわらせないオムニバスの構成や、無慈悲なストーリーがコーエン監督らしくていいですね。

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