脚本家の苦悩を描いた『バートンフィンク』

映画

|作品紹介

映画:『バートンフィンク』

監督・脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン

1991年に公開されたアメリカ映画で、ジョエル・コーエンとイーサン・コーエン兄弟が監督・脚本を手がけています。

主演はジョン・タトゥーロで、他にジョン・グッドマン、ジュリアン・ムーアなどが出演しています。

この映画は、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞し、高い評価を得ています。

|あらすじ

1930年代のハリウッドを舞台にした本作は、ニューヨークからやって来た劇作家バートン・フィンクが、脚本家として映画制作の世界に足を踏み入れるところから始まる。

しかし、バートンはクリエイティブな活動が思うように進まず、ストーリーを書くことができなくなってしまう。

そんな中、バートンは自分が滞在するホテルの部屋で起こる一連の事件に巻き込まれ、次第に混乱していく。

|来歴

主演のジョン・タトゥーロは、1957年にイタリア系アメリカ人の家庭に生まれ、1980年代から俳優として活躍しています。

本作では、主人公のバートン・フィンク役を演じ、その独特の演技で観客を魅了しました。

また、ジョン・グッドマンも本作で、大柄で愛嬌のある役柄を演じ、多くの人々から高い評価を得ています。

二人ともコーエン監督作品に出演していますが、個性的で印象に残る役ばかりです。

かのま
かのま

ジョン・タトゥーロといえば、『ビッグ・リボウスキ』のジーザスもいい役でしたね。

|見所

本作の見所は、ジョエル・コーエンとイーサン・コーエン兄弟が描く世界観や、キャラクターの魅力にあります。

彼らの作品は、独自の世界観とコミカルな要素を持ち合わせており、本作も例外ではありません。

深いテーマに取り組みながらも、コミカルな要素も巧みに取り入れており、観る人を引き込む力があります。

俳優たちの演技や映像美、ラストシーンなど、多くの見所がある作品です。

蒸し暑く剥がれるホテルの部屋の壁紙、自身の執筆と反して軽快な受付のタイプライターなど、物語のテーマや人物の心理状態を表すためのメタファーが上手く表現されていました。

物語の後半において、驚きの展開が待っているため、観終わってからも興奮冷めやらぬまま映画館をあとにするでしょう。

かのま
かのま

描写の比喩表現がうま過ぎて、観てるこっちもストレスを感じます。

|おわりに

ラストシーンは考察がわかれますが、バートン・フィンクが自分自身の作品の一部になっていることが示唆されています。

自分の執筆した脚本が映画になったことに気づき、劇場に足を運びます。そして、その映画を見ている最中に、映画の中に自分自身の作品の一部が含まれていることに気づきます。

このシーンは、バートンが自分自身の作品に対する意識を高め、自分自身を含めたすべての人間に対する考え方を深めるきっかけになります。また、彼の創造力や作家としての自信にも繋がっていきます。

このラストシーンは、映画が描く物語や哲学的なテーマを象徴的に表現していると言えます。バートンが自分自身の作品の一部になっていることは、物語の中で描かれる人間の葛藤や弱さ、そして哲学的なテーマが彼自身にも通じていることを表しています。また、バートンが映画の中に自分自身を見つけることで、作家としての自己実現が達成されたという意味も含まれています。

このように、「バートンフィンク」のラストシーンは、物語の深層にある哲学的なテーマや、主人公バートンの成長や自己実現を象徴的に表現しています。

かのま
かのま

本作には、映画制作の世界に対するコーエン兄弟の思いが込められています。彼らは、本作の制作に当たって、自らが過去に体験した映画製作の苦労やトラブルを反映させたと言われています。

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